しまなみ海道に移動式エイドステーション

地域資源を活用しながら地方創生に取り組む株式会社アドリブワークス（愛媛県今治市）は、12月22日からしまなみ海道でサイクリストに向けた「移動式エイドステーション」サービスを始めます。その名も「minagiru CARAVAN（ミナギル　キャラバン）」。自転車で訪れる観光客のために、補給食や飲料水、救護セット、空気入れなど、サイクリングに欠かせないアイテムを専用車に乗せて、サイクリストとともにしまなみ海道を走ります。アドリブワークスによると移動式キャラバンは日本で初めての試みとのこと。新サービス運営を前に、アドリブワークスの山岡健人代表に話を聞いてみました。

移動式エイドステーション「minagiru CARAVAN」を考えたきっかけは？

しまなみ海道サイクリングロードは、CNNにも世界7大サイクリングスポットとして紹介されたサイクリングロードで、”サイクリストの聖地”と呼ばれているのですが、まだまだサイクリストの方々へ様々なサポートが整っていないのが現状と思っています。

現在、サイクリストが休憩するスポットは、道の駅やレンタサイクル貸出所など、限られています。しまなみ海道は、６つの島々を橋を渡って巡るのですが、どうしても島しょ部ということもあり、万一のトラブルやエネルギー切れの際に、困ってしまうケースが多々あるのではないかと。なので、エイドステーション自体がサイクリストと並走して、パンク修理や補給ができたら良いのではないか、と思ったことがきっかけでした。特に、しまなみ海道サイクリングロードは全長70kmと、初心者にも走りやすい距離だからこそ、そのようなケアは重要と考えます。

従来の併設されたエイドステーションは、しまなみ海道に何カ所ありますか？

どこまでを休憩所と捉えるかで変わってくるのですが、「サイクルオアシス」と呼ばれる場所は、170カ所ほどあります。実際に走っていて「ここで休憩しよう」というスポットは道の駅やレンタサイクルステーションと限られている印象です。

海外では一般的なんですか？

どうでしょうかね…すみません。そこまでは調べていないですが、日本よりもキャンピングカーやトレーラーハウスが一般化している欧米などでは、そもそも車で自転車を載せて来て、並走しながら走ることも見かけやすい光景ではないかと思います。

移動式エイドステーションは何時から何時まで、何台で稼働しますか？

現時点では、テスト的に運用しているので開催日時は不定期で、主に土日になると思います。何日間かのテストで得られたフィードバックをもとに、本番の運用開始を想定しています。その際には、開発中のサイクリスト向け補給食minagiruシリーズも製品として実際にご購入いただけるようにしたいです。

時間としては9時〜16時（天候など状況により前後する可能性があります）。台数は、1台からのスタートとなります。

今回の最も大変だったことを教えてください

場所探しが、結構苦戦しました。
交通法の関係から、サイクリストが多く立ち寄る観光スポットでも、勝手にオープンすることはできず、また県や市の施設の場合「営利目的はNG」という回答も多くいただき、本来出したい場所に出せない、ということは現在もなお課題です。

ただ、色々な方とお話をするにあたり賛同していただけるかたや協力を得られるようになってきており、徐々に活動エリアが広がっています。今後、実績を増やしていき、様々な場所でトライ＆エラーしていきたいです。

とくに工夫した点やこだわった点はありますか？

タープやベンチといった機材から、周辺で流す音楽など、サイクリストがリラックスできる空間づくりには力を入れました。
また、「聖地に来た」という嬉しさや、多島美の中駆け巡る楽しさを記録としてしっかり残せるように、SNS貼えするようなデザインや仕掛けを用意しています。

サイクリスト用補給食「minagiru」は愛媛県今治市で生産された原料を活用しているそうですね

特産品である柑橘はもちろん、玉ねぎやレンコンといった野菜、はちみつに至るまで、良質で不純物のない産品を可能な限り盛り込んでいます。愛媛全体で言えば温州みかんや伊予柑など、目立った特産品を押し出すケースが多いですが、今治に限定すると、実は目立たないながらも大変美味しい作物が多品種で作られており、そのような総合的な地産品の良さをアピールしたい狙いもあります。

今後どのように展開していきたいですか？

今後は、今治側・尾道側といったエリアを飛び越えて、さらに多くの場所で開催することで多くのサイクリストと生でふれあい、声を聞きながらサービスのブラッシュアップをしていきたいと思っています。その中で、minagiruという補給食に触れてファンになってもらったり、支援していただける方を少しずつ増やしていけると嬉しいです。

サイクリングでしまなみ海道を訪れる人たちに伝えたいことは？

今現在、しまなみ海道サイクリングロードを訪れる方にインタビューをしてみると、

・折角、サイクリストの聖地に来たのだから、ご当地物を食べながらサイクリングを楽しみたい。
・コンビニ文化に慣れているので、そこでとりあえずエネルギーは補給できるが、本来は身体に気をつけた健康的な物を摂りたい。
・「聖地に来た」という証になるような、地元に戻ったときに配れるものがあれば嬉しい。

といった声を多く聞くことができました。逆に言えば、今現在そのような商品が無い、という現状があり、これを私達の取り組みで良くしていきたい想いがあります。まだまだ始まったばかりの活動となりますので、ぜひ、一緒に盛り上げて頂ける方がいらっしゃれば、ご連絡頂きたいです。

キャラバンサービスの提供期間、時間、場所

2018年12月22日（土）に開催予定で、場所は今治市の　来島海峡展望館　10時〜を予定しています。
※キャラバンの出動日時場所はHP・Facebookを御覧ください。

皆さんに伝えたいこと

近年では「インバウンド」が盛んに語られ、多く海外からの旅行者が、日本へ興味をもっていただけるようになってきました。
しかし国内に目を向けると全国的な少子高齢化から人口減少に歯止めがかからず、このため産業競争力が落ち、また都市部への一極集中も加速し、ストレスフルな生活を送る方々が爆発的に増えている現実もあります。

弊社では、そのようなストレスを「日本中を旅するように暮らしながら働く」というワーケーション推進の観点のもと、解消していくことをテーマに活動しており、この一環に今回の「しまなみ海道サイクリングロードのPR」（および、キャラバンの実施）があります。これまでサイクリングに興味が無かった方や、ロングライドは少し不安、という方にも最大限しまなみの豊かな自然や景色を楽しんで頂き、少しでも地域に足を運んでもらえるよう、サポートしていきたいと思います。

また、こちらも始まったばかりで人数少なく寂しいですが、facebookページを先行して立ち上げました。ぜひお気軽にいいねよろしくお願い致します！

しまなみ海道を訪れる観光客と、おもてなしの心を持つ地域の人たちの間に立って地方創生を目指すアドリブワークス。移動式エイドステーションを通じてサイクリストたち同士の交流が生まれ、旅がより一層楽しいものになることを期待しています。今後の取り組みが楽しみですね。

▼移動式エイドステーションに関する問い合わせは
株式会社アドリブワークス
電話：089-904-1064
メール：info@adlibworks.com