「小川張り」はどんな張り方?キャンプでの設営方法&メリット・デメリットを解説

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タープは環境に合わせて様々な張り方ができます。キャンプでテントと一緒にタープを使うのであれば、「小川張り」は覚えておきたい設営方法の1つです。

小川張りについてよく知らない、張り方が分からないという方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、小川張りの由来や設営方法、設営のメリット・デメリットなどを解説します。タープの張り方にバリエーションを増やしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

小川張りとは?

そもそも小川張りが何なのか、よく分かっていない方のために基本知識からご紹介します。

ogawa(オガワ)のセッティングテープを使った張り方

小川張りとは、テントブランド「ogawa(オガワ)」のセッティングテープを用いて、テントとタープを連結させる設営方法です。ogawaが自社製品でこの張り方を紹介したことをきっかけに、キャンパーの間では小川張りの愛称で浸透していきました。

ポールを2本使った張り方で、タープの中にテントの一部を収めることで、タープとテントの境目を感じにくいのが特徴です。タープの出入り口を広く使えて、さらにテントと連結したスタイルなので、区画が狭めのサイトでもスペースを有効活用できます。

テープは代用することも可能

通常の小川張りは、ogawaのシステムタープヘキサDXに付属しているセッティングテープを使用します。そのため、セッティングテープはシステムタープヘキサDXを購入しないと基本的には入手できません。

しかし、テープ自体は自作して代用することも可能です。セッティングテープは強度の高い荷物用ベルトと、布などの素材に開けた穴を補強するための金具であるハトメ、タープ側にベルトを固定するためのカラビナを使って自作できます。

基本的な作り方は、荷物用ベルトに穴を開けてハトメを取り付けるだけです。ポールを差し込む側はベルトの先端を半分に折って、尖ったもので穴を開けます。開けた穴のほつれが気になる場合は、軽く火で炙ると良いです。穴を開けたらハトメを取り付けましょう。

タープ側も穴を開けて、ハトメを取り付けていきます。長さ調整ができるように、一定の感覚を開けて、いくつか穴を開けておきましょう。

だいたい50cm間隔が目安です。タープに取り付ける時は穴にカラビナを通し、タープのループに固定してください。

小川張りで設営するメリット

出典:PIXTA

キャンプで小川張りが人気の理由は、色々なメリットがあるからです。そのメリットとは、次の3点です。

テントが濡れにくい

小川張りでは、タープの中にテントが収まる形となっているので、テントの中からタープに移動するまで、雨に当たらずに済みます。また、タープは傾斜をついているので、テント内部に雨水が流れ込みにくくなっています。タープによってテントが守られているので、よほど強い雨でない限り、濡れる心配はありません。

防風・日よけにも最適

テントの入り口前にタープがあるので、風向きや太陽の位置を意識して設営すれば、防風や日よけにも効果的です。風が吹くとテント内に砂埃や落ち葉などが入り込んでしまいますが、小川張りならそれを防げます。

また、タープ下はリビングスペースとなるので、日差しが強い日も直射日光を避けて食事や休憩ができます。テントのように密閉された空間ではないので、雨や向かい風、直射日光を避けて自然を身近に感じられるところもメリットです。

見た目がオシャレ

小川張りは見た目がオシャレでかっこいいというキャンパーの声も多いです。テントとタープが上手く連携しているので、すっきりとした見た目のサイトになります。

小川張りはヘキサタープ以外にレクタタープ、オクタタープでも設営可能です。使うタープによって見え方が少し異なるので、可能であれば色々なタープで試してみましょう。

小川張りにデメリットはあるのか?

出典:PIXTA

小川張りにはメリットがある一方で、デメリットもあります。そのデメリットについて見ていきましょう。

強風時に弱い

小川張りのデメリットは、強風に弱いところです。小川張りはセッティングテープの先にポールを設置するので、通常の設営方法よりも強度が落ちる傾向にあります。強風で煽られてペグが抜けてしまい、タープが転倒したり巻き上げられてテントごと吹き飛んでしまったりする可能性があるのです。

風で吹き飛んだペグやポールは、周囲に人に危害を与える危険性もあります。そのため、強風が吹いている時は、小川張りを避けるようにしましょう。

1人で設営するのは大変

これは小川張りに限った話ではありませんが、慣れないうちは設営に手間がかかります。1人で上手く張れたとしても、かなりの時間がかかってしまうはずです。キャンプ場に到着した時間が遅めだったり、日帰りキャンプだったりすると、設営の方に時間がかかってしまい他のことを楽しむ余裕もなくなります。

初めてチャレンジするなら時間に余裕を持ってキャンプ場に到着しましょう。また、ソロキャンプで小川張りをやってみたいのであれば、やり方を一通り練習しておくと、1人での設営でつまずくことはなくなるはずです。

小川張りを実践!キャンプ場での設営方法

小川張りをやってみたいのであれば、設営方法を知っておく必要があります。ここからは小川張りで必要なものから設営方法までご紹介していくので、参考にしながら実践してみてください。

準備するもの

小川張りで必要となるものは、次の4点です。

・テント
・タープ
・タープのメインポール(2本)
・セッティングテープ

上記でもご紹介しましたが、セッティングテープは自作したものでも構いません。しかし、自作したものは強度に保証がないので、使用中に突然破損してしまう可能性もあります。それが不安な人や初心者は既製品がおすすめです。

設営場所を見つける

まずはテントとタープをどこに配置するか決めます。小川張りしたタープは、防風や日よけになるメリットがあるので、サイトの形から風向き、太陽の位置に考慮して配置場所を決めましょう。

風を防ぎたい時は、テントは風上に配置しましょう。そして、テントと対極となるタープの先端を風下にして設営してください。

テントを設営する

出典:PIXTA

設営場所が決まったら、テントを設営します。いつもどおりの手順でテントを設営していきましょう。後から位置を調整するので、この時点でペグダウンは不要です。

設営する場所も本来の位置からズレていても問題ありません。タープを立てる間に風でテントが飛ばされないように、仮止めはしておきましょう。

また、テントの設営のタイミングはタープを立てる前でも、立てた後からでも構いません。自分がやりやすいタイミングで設営しましょう。

タープを仮置きする

次にタープを仮置きします。いきなり本番ではなく、テントサイトのどこに配置するのか仮置きで確認することで、やり直しが必要になった時に少ない手間で済みます。

タープを設置する場所に、タープを半分に折った状態で置きます。テント側となるタープエンドには、セッティングテープを取り付けておいてください。

2本のメインポールは前後に配置することになるので、立てる予定の位置に置いておきましょう。ガイロープ(張り綱)の位置も確認しておきます。

前方のポールを立てる

出典:PIXTA

次にポールを立てていきます。小川張りでは前方が高く、テントを置く後方が低くなります。そのため、前方は後方よりも高さがあるポールを用意してください。自由自在に長さ調整ができるポールだと、高さの微調整がしやすいのでおすすめです。

前方のポールにタープのハトメを挿します。その上から、ガイロープを2本引っ掛けます。ポールを中心に、ガイロープをそれぞれ45度になるように伸ばしましょう。

だいたいポールの先端と同じくらいの長さがペグを打つ位置となります。ペグでガイロープを固定したら、ポールを立ち上げてください。

セッティングテープを使って固定する

後方のポールも立てていきます。通常の設営では、前方と同じくタープエンドのハトメにポールを挿し、ガイロープを引っ掛けてペグで固定してからポールを立てます。しかし、小川張りではタープエンドにセッティングテープを取り付けておき、テープのハトメにポールを差し込んでガイロープを被せる形になるので注意してください。

前方のポールを立てる前にガイロープの固定まで済ませてしまうのも良いです。前方のポールが立ちあがったら、タープを引っ張るようにして、後方のポールを立ち上げてください。

サイドのテンションを整える

タープ両サイドのサブロープを固定すれば、タープの設営は完了です。固定する前に、再度のテンションはしっかり整えていきましょう。前方にポールをセットしたので、タープのサイドは傾斜がついて山型になります。雨水が溜まりにくいことがメリットです。

山型になるのを意識しながらタープをピンと張るように、サブロープの長さと位置を調整しましょう。長さと位置が定まったら、ペグでしっかり固定してください。これでタープの設営は完了です。

テントの位置が決まったらペグダウンする

出典:PIXTA

タープの設営が済んだら、テントとタープを連結させます。ポールとタープエンドの間に設営したテントを押し込みましょう。

テント側のタープは高さが低くなっているので、テント内への出入りがちょっとしづらいと感じた時は、やや前よりにテントを置くと良いです。その代わり前室部分のスペースが減るので、注意しましょう。テントの位置が決まったらペグで固定すれば、小川張りの完成です。

小川張りでキャンプ場に設営してみよう

出典:PIXTA

今回はタープの定番の張り方である小川張りをご紹介しました。小川張りはセッティングテープを用いたテントとタープが連結したスタイルであり、他の張り方と比べて連結の精度が高いのが特徴的です。テントからタープまでの移動で雨に濡れる心配がなく、晴れの日も直射日光を避けて過ごせます。

ただし、強風に弱いことがデメリットなので、風が安定している時に使える設営方法であることを念頭に置いておきましょう。慣れないうちは設営に苦労しますが、やり方を覚えて何度も練習すれば、短い時間で設営できるようになります。小川張りをマスターして、より快適なキャンプを楽しみましょう。

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この記事を書いた人 TAKIBI編集部

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