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炭を選ぶ際に、「ただ燃えてくれればいい」と考えている人は非常に多いです。
しかし、炭は意外と種類が豊富で、用途によっても使いやすさが変わってきてしまいます。
そこで今回は、バーベキューに最適な炭の選び方から必要な量、炭の取り扱いで気を付ける点、片付ける際のポイントまでご紹介します。正しい炭の知識を得て、より楽しいキャンプを実現しましょう。
キャンプでのバーベキューは炭選びも重要!
バーベキューでは肉や魚、野菜をじっくりと炭火で焼いて楽しみます。
最近では自宅でも楽しむ方が増えてきました。
食材選びは美味しさに直結する大切な要素ですが、実は炭選びも重要になってきます。まずは、炭の種類や選び方をご紹介しましょう。
炭には色んな種類がある
一般的に炭というと「木炭」がイメージされます。木炭は、あまり酸素に触れさせないよう加熱して作られているものです。一見するとどれも同じように見えますが、それぞれ使用される木材や作り方によって特徴が異なります。
黒炭
ナラやクヌギといった木材を使用しているのが黒炭です。
作られる際、炭化が終了した後も窯の中で鎮火させ、十分に冷えてから取り出されます。
特徴として火付きの良さ、火力コントロールのしやすさ、燃焼時間の早さが挙げられます。
比較的火熾ししやすい炭で安定した火力が魅力です。燃焼時間も2時間ほどなので、日帰りキャンプにも最適です。
また、大きな爆跳が起きにくいのも黒炭の特徴です。
爆跳とは炭に着火した時に「パンパン」「パチパチ」という音を立てて爆発する現象を指します。後にご紹介する白炭は比較的爆跳がありますが、黒炭なら「パチパチ」という音を立てることはあるものの、大きく爆跳することはありません。
子どもと一緒に楽しむ場合には安全性も気になる部分です。バーベキューを手軽に楽しむなら黒炭がおすすめです。
白炭
カシなどの硬い木材が使われている白炭は、叩いてみると金属音がする特徴があります。
別名「備長炭」とも呼ばれる炭です。焼き上がった炭を1300度の高温で再度焼き、真っ赤になっている炭を取り出して、消し粉をかけ素早く冷やします。
白炭の特徴は、火付きの悪さ、火力コントロールのしやすさ、煙や匂いがほとんど出ない、着火すれば長い時間燃焼してくれるなどが挙げられます。
長時間火力が安定してくれるので、飲食店などに好まれて使われることが多い炭です。
成形木炭
成形木炭は、オガクズを圧縮して加熱し成形して作られる炭です。
成形して作られているので、形状は均一で扱いやすくもあります。特徴としては、煙や匂いが少ない、安定した高火力、火付きの悪さ、長持ちするなどが挙げられます。
火付きは良いように思われることが多いですが、実は白炭の製法と似ているので火付きはそれほど良くありません。しかし、白炭より安価で扱いやすい点からキャンプでも用いられることが多々あります。
ヤシガラ炭
ヤシガラ炭はその名の通り、ヤシ殻で作られた炭です。
ヤシは捨てる部分がないと言われるほど様々な活用方法があることで知られています。そんなヤシ殻を炭化させ、粉砕・成形したものがヤシガラ炭です。
特徴としては、着火のしやすさ、燃焼時間の長さ、高火力であることが挙げられます。
特に燃焼時間は木炭に比べて2倍も持つとされています。キャンプで長時間使いたい場合におすすめです。
また、黒炭と同様にヤシガラ炭も大きな爆跳が発生するリスクが低いです。エコと安全性を兼ね備えた炭になります。
炭は「着火しやすさ」「燃焼時間」「火力」で選ぶ!
炭を選ぶ際に押さえておきたいポイントは、「着火しやすいか」「燃焼時間」「火力」の3つです。
燃焼しなくなれば追加の炭を継ぎ足していく必要があります。
そのため、着火に時間がかかってしまうのもおすすめできません。また、火力が安定しなければ食材に火が十分通らなくなってしまうので、炭選びの際は3つのポイントをチェックして選んでみてください。
なお、種類別の燃焼時間は黒炭で2~3時間ほど、白炭で6~7時間ほど、成形木炭で4~5時間ほどです。
火力はどれも比較的安定していますが、着火のしやすさから黒炭が最もバーベキューに向いています。
炭の種類ごとに異なる費用もチェック
炭の種類によって、費用も異なります。ホームセンターなどではワンコインで炭が売られている場合もあります。価格は非常に安価ですが、どのような炭なのかはチェックしてから購入してください。
白炭はいくつかの炭の中でも比較的高価な種類となっています。また、どの種類であっても、購入するお店によっても価格が異なります
炭はどれくらい用意すればいい?
炭を準備する際にどんな種類の炭であるかも重要ですが、どのくらいの量を用意すれば良いのかと悩んでしまう方も多いです。
炭を準備する際には、人数によって必要な量がどれくらいか把握した上で購入しましょう。
分量は大人1人=約1kgで準備する
炭の分量は、基本的に大人1人あたり1kgほどで準備します。
キャンプではバーベキューなどの食事を昼・夜と楽しむのであれば、+0.5kgほど追加で用意しましょう。
不足することがないよう、若干多めに準備しておくと安心です。
炭が多いとどうなる?
炭を多めに準備しておくことは大切ですが、あくまでも適量を守って使用することが大切です。
使い切ろうと思って、たくさんの炭をコンロに入れてしまうと、燃焼時間が長くなってしまいます。
また、燃え尽きるまでの時間もかかってしまうので注意しなければなりません。
さらに、炭自体の持ち運びも大変なので、基本的には目安より少し多めくらいに留めておくようにしましょう。
炭の取り扱いで気を付けたいこと
炭の取り扱いには十分に気を付けましょう。
炭を初めて取り扱うとなると、なかなか火を付けられず、キャンプでゆっくり過ごす時間が短くなってしまいます。
炭を取り扱う上で気を付けたいこと、また着火方法などを併せてご紹介します。
炭を扱う時に準備すべき道具
炭を熱すると非常に温度が高くなるため、取り扱いには十分気を付けなければなりません。
扱う前に準備しておく道具としては、耐火グローブやアルミホイルなどが挙げられます。耐火グローブは火傷しないためにも必須です。
炭を組む前にアルミをグリル上に敷いてください。アルミがあることでグリル本体が焦げ付きにくくなり、片付けも簡単になります。炭を扱った際にアルミが破れてしまう可能性もあるので、2重にしておくと安心です。
炭への着火方法は様々!
炭への着火方法は多岐にわたります。
着火剤を使用する方法、火熾し器を使用する方法、ガスバーナーを使用する方法、ファイヤースターターを使用する方法など、使用する道具によって異なります。
ここからは、それぞれの着火方法を簡単に解説していきます。
着火剤を使用する方法
まず着火剤を炭の下に置きます。
ゼリー状の着火剤であれば、新聞紙などで下に落ちないようにしましょう。
着火剤の上に炭を組むように置きます。
この時、あまりたくさんの量を置きすぎないようにしてください。
次に着火剤へ点火し炭に着火させます。
うちわなどで空気を送り込む場合は優しくするようにしてください。最初に組んでいた炭に着火すれば、徐々に炭を追加してください。
火熾し器を使用する方法
火熾し器を使用する方法は、初心者でも簡単にできるのでおすすめです。
着火剤を敷いた上から火熾し器をセットし、そこに炭を入れていきます。
炭を入れたら、火熾し器の下にある穴を使って着火してください。穴は反対側にもついているので、どちらからも着火するようにします。
着火剤に点火すれば、火熾し器の煙突効果によって炭に火が付きやすくなります。
ある程度火が上がったらコンロに炭を移して完了です。
ガスバーナーを使用する方法
ガスバーナーを使用する方法も簡単。ガスバーナーを直接炭に当て火を熾します。
高火力で直接焼くことで、確実に着火できます。
ただし、炭の大きさによっては時間がかかりすぎてしまうこともあるので注意してください。
ファイヤースターターを使用する方法
ファイヤースターターとは火打石を指します。この方法で火熾しするのは難しく上級者向けですが、火をじっくりと育てる楽しさを味わえます。
可燃しやすいもの(麻のひもをほぐしたものやティッシュなど)をセットしてからファイヤースターターを勢いよく擦り火花を飛ばします。その火花によって燃えればそこから木の枝や薪を細く割ったものをくべて火を大きくしていき、炭を入れて燃焼させていきます。
炭の管理に気を付けよう!
炭は一度着火できても、しっかりと管理しなければすぐに消えてしまいます。
火が消えてしまってはバーベキューも楽しめなくなってしまうので、炭の管理にも気を付けてください。炭を維持するためのポイントをご紹介していきます。
BBQコンロの中心に炭を集める
まずは、BBQコンロの中心に炭を集めてください。集めておくことで火種を作り合い、保温し続けてくれます。
中心に火を集めることで中心部分は強火に、端に行くにつれ弱火になるので使い分けて調理ができます。
火力を上げたいなら酸素を送る
火が消えてしまいそうな時や火力を上げたい時には、うちわや送風機で酸素を送ってあげます。燃焼効率が酸素によって上昇していきます。
うちわで煽ぐ際には、30秒程度続けて扇いでください。それを何度も繰り返すことで炭の火力は上がります。
炭の継ぎ足しは忘れずに!
炭の燃焼時間を把握して、継ぎ足さなければ火力が弱まってしまったり、火が消えてしまったりすることもあります。
皆でおしゃべりしていると楽しくて時間を忘れてしまいそうですが、楽しい時間に水を差さないよう炭の継ぎ足しだけは忘れないようにしてください。
キャンプのバーベキューで炭を片付ける時のポイント
キャンプのバーベキューで最も大変なのは片付けです。
特に、炭を扱う場合には必ず灰や燃えカスが残ってしまいます。
また、炭の消火は時間もかかるので面倒に思われますが、火事や放置は絶対ダメ。火事や誰かの火傷につながってしまいます。
ここからは、炭を片付ける時のポイントをご紹介します。
安全な消火に欠かせない「火消し壺」
安全に消火したい時に欠かせないのが、「火消し壺」です。
炭は放置しておくと空気中の酸素から燃え続けてしまいます。火消し壺に入れ、空気を遮断することで安全、かつ自然に火消しができます。
自然に消火を待つのもOK
バーベキューをした後、時間があるのなら自然に消火を待つことも1つの手段です。
自然消火には時間がかかり、その間しっかりと炭を見ていなければなりません。
ゆっくりする時間があれば、炭を見ながらのんびり過ごしてみるのも良いでしょう。
時短で消火したい場合は水に浸ける
撤収までにあまり時間がない場合には、水に浸けて消火しましょう。
バケツに水を張り、1つずつ炭を入れていきます。
バケツは必ず金属製のものを使用してください。プラスチックは熱に弱く溶けてしまう可能性があります。
炭が完全に冷えるまで20~30分かかります。完全に冷えたら炭を引き上げてください。
間違えてもやらないでほしいのは、水を炭にかけて消火しようとすることです。
水をそのままかけてしまうと、灰や蒸気が辺りに舞い上がってしまいます。
舞い上がった灰により、自分だけでなく周囲にいる家族や友人まで火傷してしまう可能性もあります。
また、この方法で完全に消火することは難しいのでやめましょう。
最後はキャンプ場の灰捨て場へ!
消火後の炭もしっかりと正しい捨て方をしなければなりません。
火消し壺を使って消火した炭は再利用することも可能ですが、その後使う予定がないのであれば、必ずキャンプ場に設置してある灰捨て場にて処分してください。
キャンプ場に灰捨て場がなければ、自宅に持ち帰ってから自治体のルールに沿って捨てます。
中には消火した炭を地面に埋めてしまう方もいるようですが、厳禁です。
炭は自然に還ることはなく、かえって環境汚染につながってしまいますので適切な処理をしましょう。
キャンプでのバーベキューに使う炭選びと使用時のポイントまとめ
キャンプでのバーベキューに使う炭は、意外と種類が分かれていて特徴も異なります。
どのように使用したいかによって、炭を使い分けるようにしましょう。予算によってもどの炭を使うかが分かれてしまうので、あらかじめ炭を購入する際にはどんな種類なのかチェックして、その特徴に合わせた使い方をしてみてください。
炭は非常に熱く、取り扱いや片付けには十分に注意しなければなりません。特に、最近ではバーベキュー後の片付けが不十分などと問題にされることが増えています。しっかりとマナーを守ってキャンプでのバーベキューを楽しみましょう。