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皆様ごきげんよう!アウトドア派サラリーマンのタイラーです。
今回はキャンプスタイルの一つ、軍幕(グンマク)に迫ってみました。
いろんなアウトドアブランドから、軍幕をモチーフにしたテントが販売されています。
その原点となった軍幕の種類や応用術、楽しさをお伝えしたく、こんな記事を書いてみました。
『軍幕』とは
第二次世界大戦等で使われていたシェルターが「軍幕」です。
各国の軍隊員が1人1枚支給されて、野宿、カモフラージュするために使われていました。
1人用なら半解放のシェルターとして野営やカモフラージュにも使えますし、2枚連結することで2人が寝られるテントになります。
夜営中もこれで雨風を防いでいたのでしょう。
年代や国、種類によっては初めからテントになっているものもあります。
素材は綿(コットン)の物が多く、焚き火との相性も良く、雨風にも耐えられます。
その歴史は古く、大戦時に使われていた1940年代のものから、戦争が終わった後の80、90年代の各国軍の支給品も出回っています。
いま手に入れられる軍幕が、必ずしも実際に戦争で使われた物だけではないと言うことは先ず言っておきます。
「パップテント」と呼ばれる由縁
軍幕は「パップテント」とも呼ばれています。
「パップテント」という言葉は、実は造語なんです。
英語の「pop up(飛び出す、現れる)」という言葉から、「設営が簡単なテント」を指すようになり、「Pop up」→「p/up」→「pup」→「パップ」と変化したと言われています。
しかし、この「パップテント」という言葉の語源には、他にもいくつかの諸説があります。
英語の子犬を意味する『pup/パップ』の家、パップハウスと呼ばれた事が語源とされたという説もあります。
軍幕にはどんなものがあるの?
有名な軍幕をご紹介します。
アメリカ軍:USパップテント
軍幕に興味を持って検索を始めると、必ず目にするUSパップテント。
軍幕No.1の存在感があります。
手にすると分かる素材の重厚さ、飾り気の無い太文字の「U」「S」の2文字、ミリタリー感が伝わります。
元々「戦場での雨風を凌げれば良い」と考えられているため構造は単純。
1枚でもハーフシェルターになります。
2枚を連結させれば2人用のテントとしての使用ができますが、広さは求めちゃいけません。
あくまで「野営時に雨を凌ぐためのもの」と認識してください。
正直このサイズで2人で寝るのは難しい様に思えますが、当時の戦地ではその様に使われていたのでしょうね。
このUSパップテントは、各社が真似する程の形、つまりはパップテントの原点と言っても過言ではありません。
フランス軍:F-1テント
他の軍幕との1番大きな違いは、ただの幕ではなく最初からテントとしての作りになっていることです。
床、居住性を大きくする20cmほどの壁、完全密閉されないためのベンチレーションがあります。
コットン製とナイロン製がありますが、その違いはおそらく年式なのでしょう。
流通している数少ない品の中でも、ナイロンのF-1テントはオリーブドグリーンとサンドベージュの2種類があります。
価格はナイロン製が10,000円~15,000円なのに対し、コットン製は今や30,000円するものもあります。
サイズはUSパップテントと比べると少し小ぶりに見えますが、壁部分がせり立っていてデッドスペースがないため、中は広く感じます。
軍幕の中でも、テントとしての形が最もはっきりしているのが大きな特徴です。
ポーランド軍:ポンチョテント
最近では最も人気のあると言っても過言ではないこの幕。
なんとポンチョにもなる「着ることのできるテント」なんです。
まず特徴的なのがそのサイズ感。
サイズは
サイズ1:160-170
サイズ2:170-180
サイズ3:180-190
の3種類あります。
最初は「なんのこっちゃ」と思いますが、これは着る人の身長を指しているそうです。
実際に着てみたのが次の画像です。
身長174cmの私がサイズ3を着ると、この様なサイズ感になります。
厚めのコットン製なので少し重みはありますが、羽織っているだけで寒さもそれなりに遮断してくれます。
サイズ2と3のサイズ感の違いは半径5cmほど。
バックパックを背負ってその上に羽織ると考えれば、サイズ感にも納得できます。
『大は小を兼ねる』ということなのか、サイズ3がネット上で高騰しています。
サイズ1、サイズ2は17,000円くらいから購入できるのに対し、サイズ3だけは27,000~35,000円くらいの幅があります。
テントにした時、サイズ3には高さ10cm・長さ190cmほどのコットなら入れられます。
「サイズ2にコットを入れるのは少しきついかな」と思いました。
寝ている時に頭とつま先は幕に触れてしまいますので、冬だと少し寒い思いをするかもしれませんね。
地べたにフォームマットやエアマットを敷いて寝るくらいなら問題ないかと思います。
東ドイツ軍:東独テント
通称「東独(トウドク)」は約175cm×175cmの正方形。
もちろん1枚でシェルターにできますし、4枚連結させてテントにしたり、6枚連結させさらに広くしたりと自由度が高いのが特徴です。
正方形の全面にボタンとボタン穴があります。
アルミのボタンにすることで、重くならないように工夫されています。
画像は私の連結例です。
ポーランド軍のポンチョテントと連結させることもできます。
少し工夫は必要ですが可能性は無限!
自由な発想をさせてくれるのが東独の特徴です。
ポーランド単体でも小型の薪ストーブを入れられますが、東独と連結させて使うと、空間が広くなった分、薪ストーブもより安全に使えます。
※テント内でストーブを使う際は一酸化炭素中毒に注意して、自己責任で使用してください。
この連結方法の場合は、横が約375cm、縦約200cmあります。
ポーランド軍ポンチョテントの袖口部分が、ちょうどいい煙突口になってくれます。
ソビエト連合軍:プラシュパラトゥカ
最後にソビエト連合軍時代のプラシュパラトゥカですが、これはシェルター使いがメインだった事が伺えます。
残っている情報は少なく、詳細に関しては絶対的なことは申し上げられませんが、サイズは東独と概ね同じサイズ感で、前面にボタンはありません。
ただ、ポーランド同様にポンチョとして羽織れる様になっています。
フード部分を作るための絞り、裾部分を擦らない様にするためのボタンが付いています。
私はこれをポーランド用の屋根や、グランドシートに使ったりしています。
これもまたアイディア次第ではいろんな使い方ができる幕です。
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