防寒対策に! 冬用のシュラフ(寝袋)の選び方

投稿日:2021年1月26日 | 最終更新日:2021年8月18日

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今回のテーマは冬用のシュラフ(寝袋)です。
冬のキャンプは他の季節と違い、朝の空気がとても澄んでいて綺麗です。また、夜は星が綺麗に見えるのでロマンティックであるのも魅力の一つ。

ところが、当然の事ながら「寒さ」も伴います。
寝ている時間も快適に過ごせなければ、せっかくのキャンプも台無しですよね。冬用のシュラフって本当に必要なの?と思われる方もいらっしゃいますが、むしろストーブを用意することよりも重要です。

キャンプを始めたての方、また、キャンプ経験は長くても冬キャンはまだ行ったことがない!そんな方は参考になるかと思いますので、是非最後までお読みいただければと思います。

冬キャンプでは冬用シュラフ(寝袋)が必須!

photo by:Colby Thomas

なぜ、冬用シュラフが重要なのか?
実際、夏場はシュラフではなく、薄手のブランケットをかけるくらいでも大丈夫だったりします。
しかし、冬場は就寝する頃には最も気温が下がり、早朝は氷点下になっていることが多いので、しっかりとした装備がないと大変厳しいでしょう。
厚着をしたり、焚き火やストーブを囲んで暖を取っていれば問題ありませんが、就寝時に寒さを感じてしまうと、体温を維持するために体力が消耗され、寝付けなくなってしまいます。
春夏用のシュラフは、後述する「快適使用温度」や「素材」などの面で冬の気温に耐える設計となっておりません。
せっかくのキャンプで風邪をひかないため、そしてめいっぱい楽しんで大自然を満喫するためにも、冬用シュラフは必ず用意しましょう!

気になる冬用シュラフ(寝袋)選びのポイントは?

それでは、何を基準にシュラフを選べばいいのでしょうか。
様々な種類のシュラフが出ており、どのように決めたら失敗しないのか?キャンプを初めたばかりだとよく分からないですよね。
シュラフのスペックを表す主な指標が以下のものとなっております。これらをしっかりとチェックした上で決めるようにしましょう。

温度表記

シュラフの使用に適している気温を示す指標です。
この指標には大きく分けて2つの表記の方法があります。
一つ目は各メーカーの独自の基準、そして2つ目は多くのメーカーで用いられている「EN:ヨーロピアンノーム」や「ヨーロピアンスタンダード」という表記です。
後者は、ヨーロッパを中心に統一規格として定められているもので、採用が認められた製品は全て「EN13537規格」の元で表記が行われています。
EN13537規格」の検査では、シュラフの中綿の量や布地の種類、厚みなどの項目から総合的に判断し、保温性能を割り出しています。
統一規格とあってメーカー間でも比較がしやすいため、シュラフを選ぶときには必ずチェックしましょう。

見るべきは「快適使用温度」と「下限使用温度」

快適使用温度とは、「一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度です。一般的に女性は男性よりも寒さを感じやすいことから成人女性目線で算出されています。無理なく使用できるのがこの気温だ、ということがこの指標で分かります。

一方で、下限使用温度とは、「一般的な成人男性が寝袋の中で丸くなり、8時間寝られる温度域」です。限界温度とも言われているため、なんとか寝られるけど寒さは感じるといった温度域です。この温度域を下回る環境で使用するにはリスクがあり危険といえます。下限使用温度下で使用することは絶対にやめましょう。

素材

シュラフの保温材(中身)に使われている中綿こそがシュラフの保温力の鍵となっております。
この中綿には、大きく分けて2種類の素材が使われています。
一つ目は化学繊維、二つ目はダウン(羽毛)です。
予算や使用シーンにより購入タイプも変わってくると思いますので、一概にはどちらがベストとは言い難いです。
しかし、今回は「冬場のキャンプ」を想定しております。それぞれのメリット、デメリットを知っておくことは重要です。

化学繊維を使用したシュラフの特徴

出典:PIXTA

化学繊維を使用したシュラフは、まずなにより値段が安く、市販されている商品も非常に多いです。
また、丸ごと洗濯ができるなどメンテナンスの面でも管理がしやすいことが主な特徴です。
家族の人数分を用意する、という場合であれば、安く手に入るのは一つ大きなポイントになりますね。以下に細かい特徴を記します。

化学繊維シュラフのメリット
・値段が安い
・水に強い
・通常洗剤で洗濯可
化学繊維シュラフのデメリット
・保温力が低い
・収納時のサイズが大きい
・重い

「重い」や「収納サイズが大きい」というデメリットの部分をみると、持ち運びの面で難があるようにが思えますが、移動手段が車という方はあまり問題ではないかもしれません。
しかし、「保温力が低い」という点は、値段の安さと天秤にかけたときに優先順位を下げがちですが、冬場では最も考慮するべき要素といっても過言ではありません。
キャンプする予定の地域の気温を調べた上で、見合ったシュラフを用意しましょう。

ダウン使用商品の特徴

出典:PIXTA

ダウンの場合は化学繊維と比較して保温力が高く、収納時もよりコンパクトに収まります。
ダウンの商品には「フィルパワー」というダウンの温かさを判断するための単位があります。
「フィルパワー」とは定量のダウンに対し、一定の荷重をかけた際にどのくらい膨らむのかを表す数値です。
この「フィルパワー」の数値が大きいほど空気を多く含むことができ、保温性が高くなります。
言い換えると、フィルパワーが大きい=少ないダウン量でも温かく、軽量化になっているということになります。以下に、その他の細かい特徴を記します。

ダウンシュラフのメリット
・保温力が高い ※フィルパワーが小さいものだとそうとはいえない
・収納時にコンパクトに収まる
・軽い
ダウンシュラフのデメリット
・値段が高い
・水に弱い、湿気に弱いので保管方法に気をつける必要がある
・専用の洗剤でないと洗濯不可
ダウンシュラフのデメリット
・値段が高い
・水に弱い、湿気に弱いので保管方法に気をつける必要がある
・専用の洗剤でないと洗濯不可

デメリットの部分を補足すると、ダウンは水分に弱く、濡れたまま保管してしまうとカビの原因になります。
よく乾かしてから保管するなど、注意しないといけません。
そして、保温力については非常に優秀ですが、フィルパワーが大きいものほど温かい反面、値段も高くなります。一般的には化学繊維と比較して数倍値段が高くなっています。

形状

シュラフの形には、封筒型とマミー型のものがあります。
それぞれ特徴があるので違う点を解説していきましょう

封筒型シュラフの特徴

※筆者が春夏に使っているもの(ノーブランドの1,000円代シュラフ)

見た目通り、普段のお布団に近い形です。
チャックを全開にすると、掛け布団のような形でも使うことができます。密着度が低く、寝ているときに圧迫感がない反面、体との間に隙間ができるため冬場には適していません。
収納時のサイズは比較的大きいです。

マミー型シュラフの特徴

※筆者が冬につかっているもの(ナンガのオーロラ600STD)

足元にかけて少ししぼられたような形です。
封筒型とは対照的で体との密着度が高いため、冬場の使用に適しています。
中で寝返りが打ちにくいので、人によっては多少寝づらさはあるかもしれません。

冬キャンプに適したシュラフとは?

それでは、今までのポイントを踏まえて具体的にどのようなシュラフを選べば良いのかご説明させていただきます。

結論から言いますと、冬キャンプにおすすめのシュラフは「ダウン素材のマミー型」です。

信頼できるメーカーのダウンシュラフは高価であるものの、その分作りがしっかりしており、長く愛用できるものが多いです。
保温力が低いものを冬でも使おうと思うと、温かさを補うために出費がかさむことが考えられますし、防寒面では万全とは言えません。
いやいや、でもダウンは水に弱いんでしょ?」と思うかもしれませんが、近年では撥水加工されているダウンシュラフも多く販売されています。
冬キャンプは外とテント内の温度差で結露しやすいのですが、シュラフが大きく濡れることはありません。最低限の就寝スペースしかないテントであれば、シュラフカバーを使用することで、結露からシュラフを守ることもできます。

冬キャンパーから絶大な信頼を得るおすすめシュラフ

一度使ったら離れられない人も多い冬キャンプにおすすめのシュラフ(寝袋)をご紹介します。シュラフといえばすぐに思い浮かぶのがこちらのメーカー達だと思いますよ。

ナンガ(NANGA) オーロラ750STD

快適使用温度/下限温度:-6℃ / -14℃
サイズ
ショート ※REDのみ:最大長203×最大肩幅80/cm(身長165cmまで)
レギュラー:最大長210×最大肩幅80/cm(身長178cmまで)
ロング ※ODGのみ:最大長228×最大肩幅85/cm(身長185cmまで)
収納サイズ:φ22×32cm
総重量:約1,490g

キャンパーから信頼を得るナンガの「元祖シュラフカバーのいらない寝袋」。
冬季一般登山用として、もちろん冬キャンプにも使えるオールシーズンモデルです。

モンベル(mont-bell) アルパインダウンハガー800#0

快適使用温度/下限温度:-6℃ / -13℃
適応身長:183cmまで
収納サイズ:∅18×36cm
総重量:約1,060g

登山用のアウトドア用品を扱うモンベルのアルパインダウンハガーは過酷な環境に身を置くアルピニストたちからも一定以上の評価を受ける名品です。
スパイラルストレッチシステムを採用しているため、動きにくいとされるマミー型に柔軟性を付与。寝返りが打ちやすく、快眠を約束してくれるでしょう。

雪中キャンプ用のシュラフおすすめ

冬キャンプよりも少し保温力が高いものを選ぶようにしましょう。快適使用温度がより低い温度域に設定されているものを定番ブランドをご紹介します。

イスカ(Isuka) エアプラス630

最低使用温度:-15℃
サイズ:80(肩幅)×213(全長)cm
収納サイズ:∅20×34cm
総重量:約1,030g

イスカのエアプラス630は厳冬期の中級山岳にも対応できるほど保温力に優れた寝袋です。
名前にもあるように、軽量化が施されているのでコンパクトで持ち運びもしやすくなっています。
また、超撥水加工が施されているので、結露によってシュラフが濡れるのを防いでくれます。
雪中キャンプにはもってこいなアイテムですね。

ナンガ(NANGA) UDD バッグ 810DX

快適使用温度/下限温度:-7℃ / -13℃
サイズ
ショート ※REDのみ:最大長203×最大肩幅80/cm(身長165cmまで)
レギュラー:最大長210×最大肩幅80/cm(身長178cmまで)
ロング ※ODGのみ:最大長228×最大肩幅85/cm(身長185cmまで)
収納サイズ:φ19×31cm
総重量:約1,260g

こちらのUDD バッグ 810DXはナンガのダウンシュラフの中でも水に強いシリーズ。
日本国内の厳冬期に対応できうる保温力を備え、ダウンの天敵である「水」に強くなっています。

冬用シュラフ(寝袋)と併せて活用したいアイテム

冬用シュラフを購入したら、次は快適な睡眠にするために枕やコットなども買い足す方が多いかと思います。ここでは、基本の寝具の他にもあるとおすすめなアイテムをご紹介します。

インナーシュラフ

寝袋の中に入れて使うインナーシュラフです。これを使うことで、より保温性を高める他、洗濯ができるというメリットがあります。冬でも寝ている間には汗をかくので、インナーシュラフに吸収させることでシュラフを清潔に保つことができます。

電気毛布

電源サイトがあるキャンプ場や、ボーダブル電源を持っている場合には、簡単に温まれる電気毛布もおすすめです。シュラフの下に電気毛布を敷いて、寝る前に温めることでぽかぽかのシュラフで気持ち良く寝れそうですね。

湯たんぽ

これは私も実際に使用しています。
お水を満タンに入れた状態でストーブの上で直接温めたり、熱湯そのものを注いで使うこともできます。
マルカの湯たんぽは朝もほのかに温かさが残るので、少し容量は大きいですがおすすめです。ホームセンターでも1,500円くらいで買えますし、とてもお得です。

最後に

冬のアウトドアは、下手をすると命に関わることもあります。
春夏シュラフや、秋口まで対応してる3シーズン用のものでもいいか、とは決して思わずに、寒い時期にも対応しているものを使いましょう。
また、今回ご紹介したようにおすすめは「ダウン素材のマミー型シュラフ」ではあるものの、お手持ちの防寒アイテムや厚着をうまく組み合わせて保温力をカバーするのも一つの手です。
出発前に忘れ物がないかチェックし、万全の体制で冬キャンプに臨むと良いでしょう。
使用シーンによって最適な冬用シュラフを用意して、ぜひ快適な冬キャンプを楽しみましょう!!

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この記事を書いた人 ahoon

安くて設備が良いキャンプ場を探しては遊びに行ってます。おしゃれギア集めと美味しいキャンプ飯をとことん楽しむぞ〜*

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